
赤ちゃんがつかまり立ちを始めた瞬間は、成長の証として親にとって喜ばしい出来事です。
しかしその反面、転倒やケガのリスクが一気に高まるタイミングでもあります。
特にフローリングや段差がある家庭では、頭を打ってしまう事故も心配されますよね。
この記事では、つかまり立ちの時期や特徴、転倒のリスクとその対策、そして実際に使える防止グッズ7選をご紹介します。
赤ちゃんの「立ちたい!」という気持ちを応援しながら、安全な環境を整えるためのヒントになれば幸いです。
つかまり立ちはいつから?時期と特徴

つかまり立ちを始める平均は何ヶ月?
赤ちゃんがつかまり立ちを始めるのは、平均して生後8〜10ヶ月ごろが多いとされています。
ただし、発達のペースには大きな個人差があるため、7ヶ月で始める子もいれば、1歳を過ぎてからという子もいます。
つかまり立ちは、寝返りやおすわり、はいはいといった動きの延長線上にあります。
何かにつかまって立ち上がることで、視野が広がり、さらに世界への興味が強くなります。
手先の器用さや足腰の筋力も必要になるため、しっかりとした体幹の発達も関係しています。
また、この時期の赤ちゃんは「立てるようになった!」という達成感から、何度も立ち上がろうと挑戦します。
その反面、バランスを崩して転ぶことも多く、親としては目が離せない時期でもあります。
転倒の原因と注意すべき時期
つかまり立ちの転倒は、成長の一過程として自然なことですが、以下のような要因で転倒のリスクが高まります:
- 筋力が未発達でふらつきやすい(特に太もも・背中)
- バランス感覚がまだ不安定(立つことに慣れていない)
- つかまっている物が動いてしまう(チェアやおもちゃなど)
- 注意が他に向いた瞬間にバランスを崩す
特に注意したいのは、立てるようになったばかりの頃(生後8〜12ヶ月)と、歩き始める前後(1歳前後)の時期です。
この期間は赤ちゃんのチャレンジ精神が旺盛な一方で、慎重さが足りないため、思わぬ転倒が増えます。
この時期は、環境の整備や親の見守りがとても大切。
しっかり対策することで、ケガのリスクをぐっと減らせます。
つかまり立ちでよくあるトラブル

頭を打ちまくる…放っておいて大丈夫?
赤ちゃんがつかまり立ちを始めると、頻繁に転倒して「ゴンッ」と音を立てて頭を打つことが増えます。
初めて見るとドキッとしますが、多くの場合は軽い打撲で心配ないことがほとんどです。
赤ちゃんの頭蓋骨は大人よりも柔軟性があり、ある程度の衝撃を吸収できるようになっています。
それでも注意が必要なケースもあり、以下のような異変が見られる場合は医療機関を受診しましょう。
症状 | 受診の目安 |
---|---|
繰り返し嘔吐する | 24時間以内に2回以上 |
意識がぼんやり・呼びかけに反応しない | 脳への影響が疑われる |
異常にぐったりしている | 活気がなくなる、顔色が悪い |
けいれん・ひきつけ | 直ちに救急受診 |
頭に強く腫れや出血がある | 圧迫止血と受診 |
一方で、転んでもすぐ泣いて動き出す、笑顔が戻るといった場合は基本的に心配いりません。
ただし、同じ場所で繰り返し頭を打つ場合は、家具の位置や床材を見直して環境を整えてあげましょう。
フローリングでの転倒リスクと対策
フローリングは、赤ちゃんの転倒時に特に注意が必要な場所です。以下のような理由でリスクが高くなります:
- 硬い素材のため衝撃を吸収しにくい
- 表面が滑りやすく、足元が不安定になる
- 寒さや冷たさが直に伝わりやすい
このような床での転倒対策として有効なのが、衝撃吸収マットやラグの活用です。
例えば、次のようなマットが人気です:
マットの種類 | 特徴 | おすすめの設置場所 |
---|---|---|
ジョイントマット | 軽量・組み合わせ自在。広範囲にも対応 | リビング全体やプレイスペース |
厚手クッションマット | 厚みが2cm以上あり、衝撃吸収力が高い | テレビ前・ベッド横・キッチン前など |
ウレタンマット | 弾力があり、肌触りも良い | ハイハイ〜つかまり立ち期の通路 |
加えて、赤ちゃんがよく立とうとする場所の家具の位置や材質にも配慮しましょう。
ガタつく家具や移動する椅子などは、赤ちゃんがつかまった瞬間に倒れてしまう危険があります。
フローリングは一見キレイで掃除しやすい反面、赤ちゃんの安全には注意が必要な素材です。
転倒リスクを減らす環境づくりをしっかり整えておくことが、安全への第一歩です。
つかまり立ちの転倒防止に役立つ!おすすめグッズ7選
転倒を完全に防ぐことはできなくても、ダメージを減らすことは可能です。
ここでは、実際に多くの家庭で使われているおすすめの防止グッズを7つ紹介します。
目的や設置場所に合わせて選ぶことで、赤ちゃんの安全性を大きく高めることができます。
① ジョイントマット|敷くだけで衝撃をやわらげる
定番の対策といえばジョイントマット。EVA素材でできていて柔らかく、赤ちゃんが転倒しても衝撃を吸収してくれます。
サイズを自由に組み替えられるので、リビング全体に敷いたり、テレビ前だけピンポイントに敷いたりと柔軟に対応可能です。
さらに、防音効果もあるので、マンションなど集合住宅でも安心して使えます。
色やデザインも豊富で、インテリアを邪魔しないのも嬉しいポイントです。
② クッションマット|厚手タイプでしっかりガード
ジョイントマットよりもさらに安心感を求める方には、厚手のクッションマットがおすすめです。
特に厚さ2cm以上のタイプは、転倒時の衝撃をしっかりと吸収してくれるため、後頭部を守るのに最適です。
使いたい場所に合わせて小さめのサイズを選べるため、寝室やキッチンなど“ここだけ守りたい”というピンポイント対策に重宝します。
③ 赤ちゃん用ヘッドガード|後頭部を守るリュック型
背中に背負わせるようにして使うヘッドガードは、後方に転んだときに特に効果を発揮します。
ふわふわのクッションが衝撃を吸収し、床に直撃するのを防ぎます。
可愛い動物モチーフなどデザインも豊富で、写真映えもバッチリ。ただし、前や横への転倒には効果が薄く、嫌がる子もいるため短時間の使用がベターです。
④ 手押し車|つかまり立ち+歩行練習にも最適
安定感のある手押し車は、つかまり立ちだけでなく歩行練習にも使える便利アイテムです。
握る部分が赤ちゃんの高さに合っているか、倒れにくい構造になっているかを必ず確認しましょう。
重心が低く、タイヤの回転スピードが調節できるタイプを選ぶと、安全性がより高まります。
シンプルな木製から、音や光の出る楽しいおもちゃ付きまで、選択肢も豊富です。
⑤ コーナーガード|家具の角を徹底保護
テーブルや棚など、赤ちゃんの顔の高さにある“角”は非常に危険です。
コーナーガードを使えば、万が一ぶつかってもケガのリスクを減らすことができます。
最近ではインテリアに馴染む半透明や木目調タイプもあり、見た目にも気を配りたい方にも好評です。
L字型、丸型、細長い棒状など、家具に合った形を選ぶとフィット感も良く、ズレにくくなります。
⑥ すべり止め付きソックス・スリッパ
意外と見落としがちなのが、赤ちゃんの「足元」。フローリングは大人でも滑りやすく、赤ちゃんにとっては大きなリスクです。
裏にすべり止めの付いた靴下やスリッパは、足元のグリップ力を高め、転倒を防ぎます。
特に秋冬は床が冷たくなるため、保温性のあるタイプなら冷え対策にもなり一石二鳥です。
⑦ ベビーゲート|危険なエリアには近づけない
どんなに注意しても、キッチンや階段などの“絶対に入ってほしくない場所”はありますよね。
そんなときは、しっかりとしたベビーゲートで物理的にブロックするのが効果的です。
設置には突っ張りタイプとネジ固定タイプがありますが、賃貸住宅では穴をあけずに済む突っ張り式が人気。
開閉がしやすく、ロック付きで安全性の高いものを選びましょう。
ベビーゲートについては次の記事でまとめていますのでご覧ください。
つかまり立ちの練習をサポートする工夫

つかまり立ちに適したおもちゃとは?
つかまり立ちは、ただ「立つ」だけでなく、バランス感覚や筋力、好奇心も必要な動作です。
そのため、赤ちゃんのやる気を引き出しながら、自然に体を使いたくなるおもちゃを選ぶことがポイントになります。
おすすめは以下のようなおもちゃです:
- 押して遊べる手押し車(押しぐるま):立って前に進むことができ、バランス感覚を鍛えられます。
- 音や光の出るテーブル型おもちゃ:つかまって遊べる構造になっており、自然と立ち上がりたくなります。
- 大型ブロックや安全な棚:赤ちゃんの胸くらいの高さで、つかまりやすい形状のもの。
おもちゃは「楽しい」と感じることが一番大切。
そのうえで、安定感のある設計か、つかまったときに倒れないかなど、安全性にも十分注意しましょう。
床に置いて遊ぶだけのものよりも、「立ち上がることで操作できる」工夫があるおもちゃは、つかまり立ちの練習にぴったりです。
親の声かけや見守りが大切
赤ちゃんのつかまり立ちは成長の証ですが、転倒するたびに親が大きく反応してしまうと、赤ちゃんが「立つのは怖いこと」と思ってしまうこともあります。
そのため、転倒したときはまず冷静に、安心感を伝える声かけが大切です。
たとえば:
- 「びっくりしたね、大丈夫だよ」
- 「よく頑張って立てたね、すごいね」
また、赤ちゃんは常に親の表情やリアクションを観察しています。
親が笑顔で見守っていると、赤ちゃんも安心して挑戦しやすくなります。
そして、万が一転んでも親がすぐに駆け寄れる距離で見守ることも大切です。
安全対策と同じくらい、心理的な安心感も赤ちゃんの成長を支える重要な要素になります。
家の安全対策も忘れずに
家具・段差・コードの対策
つかまり立ちをする赤ちゃんにとって、家の中は思った以上に危険がいっぱい。
とくに気をつけたいのが、家具の角や段差、コード類です。
赤ちゃんの視点に立って床を見てみると、家具の角がちょうど頭の高さにあったり、段差がつまずきやすい位置にあったりします。
以下のような対策が効果的です:
- 家具の角:クッション性のあるコーナーガードを取り付ける
- 段差:赤ちゃんの行動範囲に段差がある場合、スロープやマットで緩やかに
- コード:電源コードはまとめてケーブルボックスに収納。通路には出さない
また、軽くて動きやすい椅子や不安定な棚などは、つかまり立ちの拍子に倒れてしまう可能性も。
つかまっても動かない安定した家具を選び、必要なら壁に固定しましょう。
安全対策は「1ヶ所やれば終わり」ではなく、赤ちゃんの成長に合わせて常に見直していくことが大切です。
フローリングは滑り止めマットでカバー
赤ちゃんが転びやすい床といえば、やはりフローリングです。
滑りやすく、転んだときの衝撃も強いため、対策なしではかなり危険です。
薄手のラグやカーペットでは、赤ちゃんの体重でずれてしまったり、逆に引っかかって転んでしまうことも。
そこでおすすめなのが裏面に滑り止め加工がされたマットやラグです。
最近では、次のような高機能なマットも人気です:
- 防水+防音タイプ:食べこぼし対策と集合住宅の音対策に◎
- 洗濯OKな布タイプ:清潔に保てるので衛生面も安心
- 抗菌・防臭加工付き:長期間の使用にも対応
見た目にもおしゃれなデザインが増えてきており、部屋のインテリアを損なわず安全性をアップできるのも魅力です。
床の安全対策は、つかまり立ちだけでなくその後の歩行にも関わるため、早めに整えておくと安心です。
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