1歳が怒ると物を投げる?親が知るべき対応法

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1歳の子どもが急に怒って物を投げる姿に、戸惑いや不安を感じる親は少なくありません。
「どうしてそんなに怒るの?」「叱っていいの?」「育て方が悪いのかな…」そんな悩みを抱えるのは、あなただけではありません。

実は、1歳児が物を投げるのにはちゃんと理由があります。本記事では、怒りや物を投げる行動の背景、効果的な叱り方、さらにはモンテッソーリ教育の考え方まで、具体的にわかりやすく解説します。
子どもの気持ちに寄り添いながら、安心して育児に向き合えるヒントをお届けします。

1歳児が物を投げるのはなぜ?

感情表現のひとつとしての「投げる」

1歳児が物を投げるのは、まだ言葉で自分の気持ちをうまく伝えられないからです。
「怒ってるよ」「イヤだよ」「こうしたかったのに」といった感情を、行動で表しているのです。

特に、欲しいものが手に入らないときや、大人の言うことに納得できないときなどに、その感情をどう出せばいいかわからず、つい物を投げてしまうという行動に出ます。これは1歳児にとってごく自然な反応です。

大切なのは、ただ止めさせるのではなく「今、どんな気持ちだったのかな?」と気持ちを代弁してあげること。子どもは、理解してくれる安心感の中で、少しずつ言葉による表現へとステップアップしていきます。

発達段階としての正常な行動

1歳前後は、「つかむ」「投げる」「落とす」といった手や腕の動きが急激に発達する時期です。
物を投げるという行動は、実はこの発達にとって大切なプロセスでもあります。

たとえば、投げたおもちゃが「どこに飛ぶのか」「どんな音がするのか」などを観察することで、因果関係や空間認識を学んでいます。これは脳の発達にも良い刺激となる行動です。

ですから、すべての「投げる行為」を禁止する必要はありません。安全なスペースで、柔らかいボールやクッションなどを使って、投げたい欲求を満たしてあげる工夫も、発達支援のひとつになります。

1歳児が怒る理由と背景

自己主張の始まりと「できない」フラストレーション

1歳になると、自分の意思や好みが芽生え始めます。たとえば「これがしたい」「あれはイヤ」という気持ちがはっきりしてきますが、まだ言葉でうまく伝えることができません。その結果、やりたいことが思い通りにいかないと、怒りやフラストレーションが爆発しやすくなります。

たとえば、おもちゃがうまく使えない、欲しいおやつがもらえない、思い通りに動けない。そうした「できない」体験が積み重なると、子どもはストレスを感じて怒ったり物を投げたりすることで感情を発散しようとします。

こうした行動は、自立心が芽生えてきた証でもあります。子どもの「自分でやりたい」という気持ちを尊重しつつ、少し手を貸してあげることで、安心感を得て落ち着きを取り戻しやすくなります。

親の反応を試していることもある

1歳児は親の表情や反応をよく観察しています。物を投げたときに、大人が驚いたり怒ったりする姿を見て「これは注目してもらえる行動なんだ」と学んでしまうことがあります。

つまり、怒りの感情だけでなく「この行動をしたらどうなるのか?」という実験の一環として物を投げるケースもあります。この場合、毎回強く反応してしまうと、むしろ行動が強化されてしまうことも。

親としては冷静な対応が大切です。感情的に叱るのではなく、「投げるのはやめようね」と短く伝え、すぐに他の行動に切り替えられるよう促すことで、過剰な注目を避け、落ち着いた対応につながります。

1歳児が物を投げた時の叱り方

怒鳴らずに落ち着いて伝えることが大切

物を投げた瞬間、驚いたりイラっとしたりするのは当然のこと。しかし、1歳児に対して怒鳴ってしまうと、恐怖や混乱を招き、子どもは「なぜ叱られたのか」を理解できないまま萎縮してしまいます。

効果的なのは、「今、何がよくなかったのか」を落ち着いた口調で短く、わかりやすく伝えることです。たとえば「痛いから、物は投げないよ」「壊れちゃうから、大切に使おうね」といったシンプルな言葉を使いましょう。

NGな叱り方望ましい対応
「なんでそんなことするの!」と怒鳴る「痛いから、投げないでね」と落ち着いて伝える
無視する・放置する「今、どうして怒ってたのかな?」と気持ちに寄り添う
その場で叱らず後からまとめて注意する投げた直後に、簡潔に注意する

このように、伝え方を工夫するだけで、子どもとの信頼関係を保ちながらしつけをすることができます。

まとめ|怒る・投げる行動と上手に向き合うには

子どもの感情に寄り添う姿勢がカギ

1歳児の「怒る」「物を投げる」といった行動は、大人にとっては困ったことでも、子どもにとっては大切な成長の一歩です。言葉が未熟なこの時期は、感情を行動で表すのが自然な姿。その背景にある「伝えたい気持ち」や「うまくいかないもどかしさ」に目を向けてあげましょう。

まずは、子どもの感情に共感すること。「怒ってたんだね」「悔しかったんだね」と言葉にしてあげるだけで、子どもは理解される喜びを感じます。そこから少しずつ、「投げなくても伝えられる方法」を覚えていくのです。

親の反応が子どもの行動を変える

1歳児の行動にどう向き合うかは、親の対応次第で大きく変わります。怒鳴ったり厳しく叱ったりするのではなく、「落ち着いて」「一貫した」対応を心がけることが、子どもの安心感と学びにつながります。

「ダメ!」と反射的に叱るのではなく、「どうしたらよかったか」「次はどうするか」を一緒に考える姿勢が、子どもにとっての成長の道しるべになります。

子育てに正解はありませんが、子どもの行動には必ず理由があります。日々の関わりの中で、少しずつお互いに歩み寄っていくことが、親子の信頼関係を深める最善の方法です。

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