
子どもがドアや折れ戸に指を挟む事故は、家庭内でよく起きるケガのひとつです。
特に2〜3歳頃の子どもは、動きが活発になり「自分でやりたい」という気持ちが強くなります。
そんな時期に、家庭内のドアや折れ戸は意外な危険をはらんでいます。
この記事では、特にリスクの高い「折れ戸」をはじめ、開戸・引き戸・トイレのドアなど、家の中で指を挟みやすい場所と、その防止策を詳しく解説します。
具体的なグッズや安全対策も紹介しますので、子どもの安全を守りたいパパママはぜひ参考にしてください。
なぜ子どもはドアで指を挟むのか?

好奇心と成長が原因に
子どもは成長に伴い、身の回りのものに興味を持つようになります。
特に1〜3歳の時期は、自分でドアを開け閉めしてみたくなる「模倣行動」が盛んになる時期です。
以下のようなシチュエーションでは、指を挟む危険が特に高まります。
- 自分でドアを開けようとして指を入れる
- 兄姉が閉めたドアに後から手を伸ばす
- ドアの隙間に指を入れて遊ぶ
親が少し目を離した隙に、静かに事故が起こってしまうケースも少なくありません。
家のドアの構造によるリスク
家庭内にはさまざまなタイプのドアがありますが、それぞれに異なる危険ポイントがあります。
以下の表に、主要なドアと挟みやすい場所、危険度をまとめました。
ドアの種類 | 挟みやすい場所 | 危険度 |
---|---|---|
折れ戸 | ヒンジ部・折れ曲がる隙間 | ★★★★★ |
開戸(開き戸) | 蝶番側・取っ手側の隙間 | ★★★★☆ |
引き戸 | 戸袋やサイドの隙間 | ★★★☆☆ |
トイレ・風呂のドア | 段差や開閉時の狭いスペース | ★★★★☆ |
このように、ドアの構造によって危険の種類は異なりますが、共通して言えるのは「子どもの指が入りやすい隙間がある」という点です。
次章からは、それぞれのドアタイプ別に具体的な防止策を紹介していきます。
家庭内で指を挟みやすいドアとその対策

折れ戸の危険ポイントと防止策
折れ戸は、開閉時にパタパタと折れる構造のため、ヒンジ部分や折れ曲がる中央部に指を挟む危険があります。
クローゼットや洗面所などに多く使われており、子どもが静かに指を入れてしまいやすい場所です。
主な危険ポイント:
- 折れ目部分(板と板の間)
- ヒンジ(蝶番)周辺の隙間
- 床に近い可動部
対策:
「はさマンモス」のような隙間を覆うカバーを設置することで、物理的に指が入らなくなります。
また、折れ戸自体に開閉制限ストッパーをつける、子どもが頻繁に触れる場所は引き戸やカーテンに変更するなども有効です。
開戸(開き戸)の指はさみ対策
開戸は、家庭で最も多く見られるドアタイプです。
蝶番(ヒンジ)側とラッチ側の2ヶ所に挟みポイントがあり、特に蝶番側は“見えにくいけど危険”な場所です。
主な危険ポイント:
- 蝶番側:ゆっくり閉めても強い圧力がかかる
- ラッチ側:勢いよく閉めたときに挟まる
対策:
蝶番側に「指はさみ防止カバー」や「ドアヒンジプロテクター」を設置することで安全性が高まります。
さらに、ドア上部にストッパーを付けて、子どもの手の届かない位置でロックするのも有効です。
引き戸の指を挟まない工夫
引き戸は見た目にフラットで安全そうに見えますが、実は「戸袋(とぶくろ)」と呼ばれる収納スペースへの出入り口や、レール周辺での指はさみ事故が発生します。
主な危険ポイント:
- 戸袋と壁の間の隙間
- スライド途中の急な動き
対策:
ドアの端に「隙間ガード」やクッション材を貼ることで指の侵入を防ぎます。
戸袋の手前に物理的なブロックを置く、開閉スピードを抑える「ソフトクローザー」を導入するのも効果的です。
トイレ・お風呂ドアの注意点
トイレやお風呂のドアは、段差や狭い空間での開閉操作が多いため、子どもがついてきたときに挟まる危険があります。
特に外開きタイプのドアは、後ろから指を挟みやすい構造です。
主な危険ポイント:
- ドア下部の段差やスリット
- 狭い通路でのすれ違い
対策:
「ソフトクローズ機能」を後付けで導入し、ゆっくり閉まるようにすることで事故を防げます。
また、子どもが勝手に開けられないよう、トイレのドアにはロック機能を設けましょう。
指はさみ防止グッズを活用しよう

人気の「はさマンモス」とは?
子どもの指はさみ事故を防ぐためのグッズとして人気が高いのが、「はさマンモス」です。
これは、ドアの蝶番側や折れ戸の隙間に取り付けることで、指が入るスペースを物理的に塞ぎ、挟まれるリスクをなくすという製品です。特徴は次のとおりです。
- 柔らかい素材で、万が一当たっても痛くない
- 貼るだけの簡単取り付けで工具不要
- 折れ戸や開戸のヒンジ部分にも対応
はさマンモスはデザインもシンプルで目立ちにくいため、インテリアの雰囲気を壊すことなく使える点も、子育て家庭に人気の理由です。
複数枚セットになっており、1つの家庭内で複数箇所に取り付け可能なのもポイントです。
以下は「はさマンモス」の使用例です:
使用場所 | 防止対象 | 取り付け方法 |
---|---|---|
折れ戸 | 折れ目の隙間 | 両面テープで貼り付け |
開戸(ヒンジ側) | 蝶番の挟み込み | 本体を巻き込むように取り付け |
トイレのドア | ドアと枠のすき間 | ドア枠に合わせて調整 |
「もしも」が起きる前に対策をしておきましょう!

100均・市販グッズの活用方法
「はさマンモス」のような専用グッズがなくても、100円ショップやホームセンターなどで手に入るアイテムでも十分に対策が可能です。
以下は、コスパ重視でできる指はさみ防止の工夫です。
100均で使える対策グッズ:
- ドアストッパー
ドアが最後まで閉まらないようにするアイテム。ゴム製や吸盤タイプがあり。 - コーナーガード
テーブル用として売られているが、ヒンジ部や引き戸の隙間に応用可能。 - ウレタンシート
ドアの側面に貼り付けて、指が入る隙間をカバー。
市販品の活用ポイント:
- ドアクローザー付きのソフトクローズ装置は、後付けでも設置可能
- 「隙間防止テープ」はドア枠や引き戸にも使える万能タイプ
これらのアイテムは価格も手頃で、応用範囲も広いのが魅力です。
指を挟みやすい場所を一度リストアップして、それぞれに最適な対策グッズを設置するのがおすすめです。
家族でできる安全習慣の工夫

開閉音や行動パターンを意識する
ドアによる指はさみを完全に防ぐには、グッズだけでなく「日常の意識」も重要です。
子どもの行動パターンを観察しながら、開閉の仕方や音を家族全体で気にかけるようにしましょう。
日常でできる工夫:
- ドアを開けるときは、ゆっくりと動かす
- 「バタン」と閉めずに、必ず音に注意する
- 兄弟がいる家庭では「ドア閉めるね」と声かけする
- トイレや風呂のドアを閉める際は、子どもが後ろにいないか確認する
大人がこうした行動を習慣づけることで、子どもにも「ドアは慎重に扱うもの」という意識が自然と身につきます。
子どもに「危ない」を教えるコツ
子どもに対して「危ないからダメ!」とただ言うだけでは、伝わりにくいこともあります。
実際にどうして危険なのかを、年齢に応じてわかりやすく伝えることが大切です。
伝え方の工夫例:
- 実際に安全な場面で指を挟んだ真似をして見せる
- 「ここに指を入れると、いたい!ってなるよ」と感情で伝える
- 絵本やぬいぐるみを使って“事故ごっこ”をしてみる
また、子ども自身にドアを開け閉めさせてみて、「ゆっくりやると安全だね」と成功体験を作るのも有効です。
子どもが自主的に行動できるようになるためには、注意だけでなく“体験と納得”がポイントになります。
まとめ|指はさみ事故を未然に防ぐには
この記事で紹介した対策一覧
子どもが家庭内で指を挟んでしまう事故は、ほんの一瞬の出来事で起こります。
しかし、日頃から意識して対策を講じることで、大きなケガを未然に防ぐことができます。
この記事で紹介した主なポイントは以下のとおりです。
- ドアで指を挟む原因は、成長による行動変化と構造的リスク
- 折れ戸・開戸・引き戸・トイレなど、各ドアごとの危険ポイントを把握
- 「はさマンモス」などの専用グッズや100均アイテムでの対策
- 家族全体でドアの使い方を意識し、声かけや確認を習慣にする
- 子どもに対して“危ないこと”を体験を通じて教える
安心できる住まいづくりの第一歩
安全な住まいづくりは、特別なリフォームをしなくても今日から始められます。
まずは家の中で指を挟みそうな場所を探し、手軽にできる対策から取り入れてみましょう。
子どもが安心して遊べる・生活できる環境は、家族にとっても心の余裕につながります。
こちらの記事でその他の安全対策についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
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